生きる。
私は生まれつき、心臓が弱い。
生まれてから入退院を繰り返したけど
移植をしなければ助からない
という事実を突きつけられ
7歳で渡米し、この病院にいる。
調子の良いときは病院で行われている
病児学校へ行き、勉強に励んできた。
周りは小さい子が多く、友達はいなかった。
友達を作っても、みんなすぐにいなくなってしまう…
そんな現実が嫌で人と深く関わらないようにしてきた。
そんな時、美波はやってきたのだ。
同世代の子が転院してくることはたまにあるが
あまり話すことはしない。
仲良くなってもまた先に逝ってしまうから。
最初は、どうせすぐに死ぬから、と
私は人生諦めていたのに
どういうわけか、私だけずっと体調がよく
いつの間にか16歳になっていた。
いまさら友達の作り方はわからない。
だから、同じ部屋に同世代の女の子が
来たことも気に止めず
いつものように外を眺めながら
日本の歌を聴いていた。