生きる。
「ねぇ…爽も中学の時美波も仲良かったんだよね?」
沈黙を破ったのは私だった。
爽はパソコンから私へ視線を移した。
「うん。そうだよ。なんで?」
「私、本当は湊だけじゃなくて
みんなの話も聞いてたの。
ただ話に聞いていた人たちと明らかに違ってて。
純はそのままだったけど…
爽は彼女がいて、彼女が大好きだったんだよね?
誰よりも信頼してたんだよね?」
私がそんな話をすると爽は顔を曇らせた。
「由茉には関係ないよね?」
と笑顔で言い、またパソコンへと視線を戻した。
「ま、そうだけどね。
人ってこんなに変わるものなんだなーって思って。」
「……どういう意味?」
「美波から聞いてた爽は優しさの塊だった。
彼女のことも湊たちのことも信頼していたし
誰にでも優しかったって。
でも今はそんなことないよね。
如月のみんなのことは信頼して
仲間と認めてるみたいだけど
私や他のひとのことは全く興味がない。
信じようとしてないよね。表向きは優しいけど。
あからさまに私にたいして拒否反応だしてる。
しかもそれ、わざとでしょ?
なんでこんなに変わっちゃったのかなーって
しばらく考えてたんだよね。
爽は今彼女いないよね?
ってことはやっぱり彼女が原因なのかなー?」
爽は笑顔で答えた。
「……だから、由茉には関係ないよね?」