生きる。





「ねぇ、何歳?」


だけど彼女はそんな私に

突然話しかけた。



久しぶりに聞く日本語………

それだけで嬉しかった。


「16歳。そっちは?」


「よかった、日本語通じて…

あたしはもうすぐ16。同い年だね。」


ふーん、と思い会話はそこで終わるかと思ったが…


「ねぇ、いつからここにいるの?」


彼女はまた、私に話を振った。


「7歳。生まれつき心臓が弱いの。」


「そうなんだ。

あたしはね、去年突然言われたの。」


「そう。」


「あなたは一人なの?親とかは?」


「一人。親は日本。

そっちは?」


「私はお母さんときたの。」



こんな風に会話をしたのはいつぶりだろう。



私の両親は私の医療費のため、

日本に残って仕事をしている。

医療費調達のためにも動き、

私のために必死に動いてくれている。


そんなことまで美波に話した。

こんなことを誰かに話したのは初めてだった。


なぜかはわからない。

だけど、美波にはすんなり

自分の事を話せたんだ。



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