レンアイ関係の憂鬱
「あっぶね……」
包まれた隙間から見えるのは、ゆっくり息を吐いて、そうつぶやくレンの焦りの表情。
あ、あたし、レンに抱きしめられてる────?
もしかして、自転車に引かれそうになったとこを、助けてくれたの?
「ライトぐらいつけろよ……ただでさえ夜道は危ないってのに」
さっきの自転車に向かってブツブツ文句を言うレン。
あたし、さっきまで目、地面向いてたから気づかなかった……。
ゆっくりと身体を離される。
上からじっと見つめられて。
「大丈夫?」
レンって……こんなに男の子だったっけ……?
なんだか、あたしの知ってる小さい頃のレンとは違かった。