レンアイ関係の憂鬱










「あっぶね……」




包まれた隙間から見えるのは、ゆっくり息を吐いて、そうつぶやくレンの焦りの表情。



あ、あたし、レンに抱きしめられてる────?




もしかして、自転車に引かれそうになったとこを、助けてくれたの?




「ライトぐらいつけろよ……ただでさえ夜道は危ないってのに」



さっきの自転車に向かってブツブツ文句を言うレン。

あたし、さっきまで目、地面向いてたから気づかなかった……。



ゆっくりと身体を離される。

上からじっと見つめられて。



「大丈夫?」



レンって……こんなに男の子だったっけ……?




なんだか、あたしの知ってる小さい頃のレンとは違かった。










< 23 / 139 >

この作品をシェア

pagetop