レンアイ関係の憂鬱
「ばーか。いたよ。真島なんとかってヤツ。ずっとこっち、チラチラ見てた」
整った無表情の顔をムスッとさせ、あたしの頭に自分のあごを乗っけて。
真島って……真島 紘生くん?
あたしと同じクラスの実行委員の男の子だよね。
「それは……、あたしたちが目立った行動してたからで……!」
「んーん。違う。劇のクライマックスで、みんなが熱中してる時もずーっとこっち見てた。
……あのさぁ、アイ……ちょっとは気づけよ。男の視線。
────特に、俺の」
────ドキンッ。
頭の中が甘くしびれ、脈が速くなった。