明日へのヒカリ


どうして? と、私が頭に“?”を飛ばしていると、フウカさんは、これまたにっこりと笑いながら言う。


「だって、優太くんが、よく由希ちゃんのこと話してくれるもん。」


私は、フウカさんの口から、優太の名前が出てきて、ズキリと胸が痛んだ。


「そう‥‥ですか‥‥‥」


私は、頑張って笑顔を作った。


「聖矢くんやお義姉さんからも聞くんだ〜。しかもね? 皆由希ちゃんのことべた褒めしててさ〜。だから、どんな子なのかなって、ずっと気になってたんだよ〜」


フウカさんは、可愛らしい顔でそう言った。


そんなこんなで、私達三人は、楽しくお喋りを始めた‥‥‥と言っても、フウカさんと美涼姉ちゃんが、話してて、二人が私に話を振ってきて、それに対して私が反応しているような形になっている。


少し経った頃、フウカさんは、ハッとしたように、「そういや私、自己紹介してなかったや」と、言った。


表情がコロコロと変わって、なんだか可愛らしい人だと私は思った。


「私の名前は、片桐 楓花っていうの。由希ちゃん、これからよろしくね〜」


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