明日へのヒカリ


楓花さんは、ふわりと優しく笑った。


「ありがとう」


綺麗だった。


私は、もう……。


「幸せだよ、由希ちゃんに祝ってもらえるなんて! 私達、嬉しいよ」


そう言いながら、嬉しそうに笑う楓花さんを見て、私は泣きそうになった。


……もう……、無理だ……。


「今日、これからちょっと用事が……」


私がそこまで言ったところで、美涼姉ちゃんは「じゃあ、そろそろ帰る?」と、聞いてきた。


その言葉に私は、コクリと頷く。


すると楓花さんが、「じゃあ、また今度、三人で話そうね」と言ってくれた。


私はニコリと笑って、「それじゃあ」と、軽く頭を下げる。


美涼姉ちゃんと、楓花さんは、手を振りながら見送ってくれた……。


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