明日へのヒカリ


抱きしめられていることに焦っていた私だが、その焦りが、だんだんと居心地のいいものになってきた。


……落ち着く。

それと……

……懐かしい……。


なんだか、戻って来るべきところに戻ってきたような……。

……そんな安心感が私を包んだ。


優太は、少し私を引き離した。

そして、私にそっとキスを落とす。


前にした時よりも、ずっと優しく……。




私は、思っていた。

このまま、ずっと優太と居られるって。

幸せに過ごせるんだって、思ってた。


しかし、タイムリミットは、もう既に迫ってきていた。

時の針は、刻んでいた。

刻一刻と、無情なまでに、正確に……。


< 193 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop