明日へのヒカリ


美涼姉ちゃんの隣りに座っていた先生に、ペコリと頭を下げると、先生もペコリと頭を下げる。


「じゃあ、そろそろ戻るよ」


先生は、そう言いながら椅子を立つ。


「うん。……ありがとう」


美涼姉ちゃんがそう言うと、白衣を着た先生は、優しくポンポンッと、美涼姉ちゃんの頭に触れた。

そして、ニッコリと微笑んだ先生は、ゆっくりと扉を閉めた。


「美涼姉ちゃん……」


私が美涼姉ちゃんを呼ぶと、美涼姉ちゃんはニッコリと笑って、「ごめんね」と言った。


「いや、こっちこそ……。っていうか、あの人……」


どこかで見たことある気がするんだよね……。


「あー、あの人は、優太の主治医で、私の夫。三神 亮平っていうの」


それを聞いて納得。

あの笑った顔に、なにか引っかかっていたのだ。

誰かに似ている気がするって。


「陸斗くんと海斗くん。目元がお父さん似なんだね」


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