明日へのヒカリ


「美涼姉ちゃんのもあるんだよ!」

「え、そうなの? わーっ、なんなのか気になるなー」


そう言いながらニコニコしている美涼姉ちゃんを見て、私はそれを、バッグから取り出そうとした。

が、少し迷う。


……一応……、優太の誕生日なわけで……。


しかし、まぁ、いっか。という思いが勝ち、私は美涼姉ちゃんにそれを差し出した。


「これは……」

「そう! まだ、優太に見せてないから、ナイショね!」


私がそう言うと美涼姉ちゃんは、「由希ちゃんらしいわ」と笑いながら、「分かったわ」と返事をしてくれた。


「じゃあ私、もう一回、優太と話してくる」


今度はちゃんと言える。


優太は、ちゃんと皆から、生まれてくることを、望まれてたんだよって……。


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