明日へのヒカリ
私がそう言うと、ぶつかった人は、しまった……、というような、微妙な顔をした。
私は、不思議に思いながら、その人から、そっと視線を外した時、あるものに目が止まった。
それは……
「三神……聖……って、まさか、優太の……」
私は、目に止まったプレートを見てそう言うと、聖さんは、「あぁ、そうだ」と一言だけの返事をくれた。
「あの、今日は優太の誕生日ですよね? どうして……」
私がそこまで言うと、聖さんの眉間に、軽く皺が寄った。
「ここではなんだ。場所を移そう。……ついて来なさい」
聖さんは、必要最低限の言葉だけ、口から出すと、スタスタと歩き出した。
私は、緊張する心を落ち着けながら、足を一歩、踏み出したのだった……。