明日へのヒカリ


‥‥‥確かに、そうかもしれない。


そもそもの原因は礼央くんだが、礼央くんにキスされたドキドキよりも、優太に見られた、優太が怒っているというモヤモヤのせいで、ため息が出ているような気がする。


‥‥‥どうして‥‥?


私が悶々と考えていると、隣から、「お〜、やっと着いた〜」と、のんきな声が聞こえた。

その直後である。


「ブハッ‥‥!」


という、謎の笑い声が聞こえてきたのは。


「はぁ?」


私が顔を上げると、美咲が私の顔を見ながら吹き出していた。


「い、いま人の顔見て笑ったなぁ!?」

「だ、だってだって‥‥!
み、眉間に‥‥しわ‥‥ハハッ」


あまりにも真剣に悩みすぎて、眉間にシワが寄っていたようだ。

私は、自分の眉間を指で触れる。


そんな私を見て美咲は、


「まぁ、まだまだ日はあるんだしさ!
どうとでもなるよ!
とりあえず今は、楽しむときでしょ?」


そう言って、ニッコリ笑った。


「うんっ」


私は笑った。


この林間学校をきっかけに、これから何が起きるのか、私は‥‥知らない‥‥‥。


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