明日へのヒカリ
「行っちゃった‥‥‥」
私も早く出ようと思い、身支度を始めた。
頬に温泉の熱を溜め込んだまま、私は脱衣所から出た。
『女』と書かれた暖簾を軽く手で押し上げ、ゆったりとした足取りで歩く。
ふと前を見てみる。
するとそこには、話のもとである彼、優太がそこに立っていたのだった。
「こ、こんなところで何してるの!?」
私は驚いて、大きな声を出してしまった。
優太の今の格好は、旅館の方で用意されている浴衣である。
もちろん私もそれだ。
優太もお風呂上がりなのだろう。
少し髪が濡れている。
なんだかいつもよりかっこい‥‥‥
私はそこまで考えると、顔が更に熱くなった。
「あっ、あのさ!!」
優太も顔を赤く染めながら、大きな声を出した。
「ど、どうした‥‥の?」
私がそう言うと、優太はチラリとこちらを見て‥‥‥
「一緒に星‥‥観ませんか……?」
と、言ったのだった。
「‥‥‥え?」
「だ、だめ‥‥かな?」
私の思考は、一瞬停止。
「‥‥‥行くっ」