明日へのヒカリ
「うっわぁ‥‥‥っ」
私は言葉を失った。
空気が凄く澄んでいて、星がすごく近くに観えた。
私達は、誰も来ないだろうと思われた、少し遠めのところまで歩いた。
そして適当なところへ腰を下ろす。
「手が届きそうだね‥‥‥」
私が手を翳しながらそう言うと、少し後ろに立っていた優太が、私の隣に座った。
「懐かしいね‥‥」
私の頭に手を置き、目を細めながらそう言った。
「懐かしい?」
私が聞き返すと、コクリと頷いた。
「昔も一度、こういう事があったんだ。
僕達二人は、大人に黙って部屋を抜けだして、屋上へ行って星を観にいったことが」
幼い頃の私達は、そんな悪さをしていたのか。
「大人に、黙ってやってるからスリルがあってね。屋上へ着くまで、俺はドキドキワクワクしてたよ」
「子供の好奇心ってすごいよね〜」
私が笑いながらそう言うと、優太も笑って頷いた。