明日へのヒカリ


「うっわぁ‥‥‥っ」


私は言葉を失った。

空気が凄く澄んでいて、星がすごく近くに観えた。


私達は、誰も来ないだろうと思われた、少し遠めのところまで歩いた。

そして適当なところへ腰を下ろす。


「手が届きそうだね‥‥‥」


私が手を翳しながらそう言うと、少し後ろに立っていた優太が、私の隣に座った。


「懐かしいね‥‥」


私の頭に手を置き、目を細めながらそう言った。


「懐かしい?」


私が聞き返すと、コクリと頷いた。


「昔も一度、こういう事があったんだ。
僕達二人は、大人に黙って部屋を抜けだして、屋上へ行って星を観にいったことが」


幼い頃の私達は、そんな悪さをしていたのか。


「大人に、黙ってやってるからスリルがあってね。屋上へ着くまで、俺はドキドキワクワクしてたよ」

「子供の好奇心ってすごいよね〜」


私が笑いながらそう言うと、優太も笑って頷いた。


< 67 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop