明日へのヒカリ
「着いたその空には、星がいっぱい散りばめられていて、すごく感動したのを覚えてるよ。それで、その時に由希が言ったんだ」
私は優太の方へ首を向ける。
「『また一緒に、お星さまみようね!』って。
それを言った由希は、すっごく可愛い笑顔をしててさ〜。今思えば、それが、俺の気持ちが由希に傾いた瞬間だったのかも」
この話をしている時の優太は、とても優しい顔をしていて‥‥‥。
この話に、私も出てきているのだが、残念ながら思い出せていない。
「そんな話聞かされたら、恥ずかしいんだけど‥‥‥」
私がそう言うと、「そう?」と言いながら軽く笑った。
「その時にね、由希がさっきとおんなじ事をしたんだよ」
「おんなじ事?」と、私が聞き返すと、優太は、「うん」と言った。
「ほら、こーやって手を上にあげてさ、『手が届きそうだね』って言うの」
「あー、あれかー」
言われてみれば‥‥‥確かにそうかもしれない。
星を見るときは、何故かこれをやってしまう。
小学生の時も、中学生の時も。
これをやって、馬鹿にされた覚えしかない。
「これをやってる由希の事は、よく覚えてるよ」
「あまりにも、
馬鹿みたいなことを言ってたからかな?」
私が自嘲気味に笑うと、優太は「違うよ」と言った。