明日へのヒカリ
礼央くんに思い切りぶつかる影がひとつ。
「ちょっ、礼央っ!!
あ〜んた、また前見て歩いてないっ!!」
そこには、我がクラスの女子委員長である、野崎 茉莉が立っていたのだった。
「なっ、わ、悪かったって‥‥‥!」
「ったくもうっ!
いっつもまわりをみてないんだから!!」
そう言って委員長は、忙しそうに走っていった。
「茉莉ちゃん、大変そうだね‥‥‥」
私がそう言うと、美咲も頷いた。
「班長でこんだけキツイんだから、
委員長はもっとキツイんだろうね‥‥‥」
そう言って、委員長が走った方へと美咲や優太、そして私が顔を向けたその時‥‥‥
「火を灯す前の19:20、ロビーに来て。話したい事がある。すぐに終わるから」
耳元で礼央くんが私にしか聞こえないくらいの声でそういった。
私が、どうして?、と聞き返すよりも早く、礼央くんは美咲に声をかけていた。
「なぁみさちゃん、もう組み立て終わったし、後は自由行動だよな?」
「え? あ、あぁ、そうだね。うん、自由行動だよ」
ここの学校の不思議なところ。
普通はさ、みんなで集まって組み立ててそんでもって、みんなで火を灯してるとこを見るはずだ。
しかし、ここの学校は、他のところとは一味違うらしい。