お前のとなりは俺だから


私が素っ頓狂な声を上げると、「変な声」と、皐月が言う。

そんな皐月を無視して、私は頭の中を整理する。


「私に会うために学校に来たっていうのは……」

「おう、マジ」


そっかそっか〜。


「……はい?」


……会いに来た?


「だから、ずっとそう言ってんじゃねぇか」

「いや、言われてないし」


私がそう言うと、皐月が楓に「おい、コイツ日本語が通じてねぇぞ」と言った。

すると楓は、「英語はもっと通じないよ」と、真顔で返した。


「じゃあ、どーやったら会話できんだ? 昔はここまで、バカじゃなかったはずなんだけど」

「うるっさいなー! 分かってるよ! 通じてるから!!」


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