お前のとなりは俺だから
早くも問題発生
「ねぇねぇ、楓ー」
「んー?」
「私の上履き知らなーい?」
朝、私が学校へ行き、上履きに履きかえようとして、自分のロッカーに何も入っていないことに気づいた。
「あれー? ここ、私の……だよね?」
「そりゃそーでしょ」
楓は、上履きに履きかえ、靴を仕舞った。
そして、ロッカーを閉めながら、「昨日、持って帰ったんじゃないの?」と、何事もなさ気に言った。
「いや、昨日は持って帰ってないと思うんだけど……」
「そんな事言いながら、この前もおんなじような事あったじゃん」
そう言いながら、楓は呆れたように笑った。
「アレはー……、ただ、忘れてただけで……」
「じゃあ、今回もどうせ同じでしょ」
楓は、「ほら、さっさと行かないと遅刻だよー」と言いながら、先にスタスタと歩き始めた。
私は、変だなと思いつつも、まぁいいか、と思い、「スリッパ借りにいくからついてきてよー」と、楓に言ったのだった。