お前のとなりは俺だから
そして、カバンを置いた皐月は、ダルそうにこちらへと歩いてくる。
ガタリと音を立てながら、皐月は私の隣の席の椅子に座った。
「あいつ、朝っぱらからマジうっせー」
机に突っ伏した状態で、「マジでどうしてやろうか……。くそウゼぇ……」と、深刻そうな声で言う。
「本人に言えばいいじゃない」
「昨日、喋りかけてくんなっつったばっかだぞ」
「……確かに」
楓がフムフム、と納得しているのを見て、皐月は更に、顔をゲッソリとさせた。
「お前らくらい、静かならいいのに……」
そう言いながら皐月は、大きな溜め息をついたのだった。
「まぁ、私は、あんたに興味ないっていうか、興味あるわけないから。騒ぐ必要性がないだけだよ」
楓がそう言ったので、「どうして興味あるわけないの?」と、私が聞いた。
はじめの、興味ないっていうのは、まぁ、人の好みとかもあるから、アレだけど……。
興味あるわけない、と、言い切っているから少し気になったのだ。