お前のとなりは俺だから
私は、もう一度溜め息をついた。
手を洗って、ハンカチで拭きながら教室へ戻る。
教室へ入ろうとすると、ドンッと人にぶつかってしまった。
「あ、ごめん」
私がそう謝って、相手の顔を見てみると、まさかの弁当を逆さまにした張本人、取り巻きA。
……げぇっ。
私は、口を引きつらせているのがバレないように、思い切り顔をそらす。
「邪魔なんだけど。そこ、退いてくんない?」
そう言われた私は、素直に避ける。
「マジ邪魔だし」
その言葉に、一体テメェーは何様なんだよ、とか思いつつ、あくまでも無表情。
教室を出て、歩いて行く取り巻きAを見ながら、避けなくても通れるよね?、とか考える。
……が、それを考えたら終わりだろうと思い、私は、自分の席へと戻った。