お前のとなりは俺だから
「皐月、遅かったね」
私がそう言うと、「あー……」と、謎の声を発した。
私が頭にはてなを飛ばしていると、「ん」と何かを差し出してきた。
「え、なに?」
「食え」
そう言って渡されたのは、クリームパンだった。
「……え?」
私が驚いていると、
「夏菜、クリームパン好きだっただろ? いちごオレ買いに行ってたらあったから、ついでに買ってきてやった」
と……。
「いいの?」
私がそう言うと、「しゃーなしで」と、素っ気ない言葉。
「……ありがと……」
私は、心の底から皐月に感謝し、大好きなクリームパンを噛み締めた。
すると楓が、「あ、そうだ」と鞄をゴソゴソしだした。
「あのねー」
私が首を傾げると、楓が、「はい、よかったらどうぞー」と、私の机に、冷たいミルクティーを置いた。
「えっ、なんで!?」