お前のとなりは俺だから


半泣きの私に、アイスを食べながら問うてくる。


「どうして夏菜は、そんなに皐月の事、気になってんの?」

「そんなの決まってるよ」


私は、やっとこさ顔を上げて、楓を見る。


「皐月が気になるのは、小さい時から仲良くって……。私の親友であり、私のヒーローだと思ってた。だから、友達として見たことないって言われた時は……」


私がそう言うと、楓は、ずっとモグモグさせていた口を止めて、しっかりと目を合わせて聞いてくる。


「理由は、それだけ?」

「……え?」


楓の言葉の意味がわからずに、私は首を傾げた。


「皐月のこと、気になってる理由。本当にそれだけ?」

「それだけって、どういう事?」


私が言うと楓も言う。


「そこに、別の感情はないの?」

「別の感情?」


私が眉間にしわを寄せながら考える。

すると、楓が言った。


「例えば、恋愛感情、とか」


< 62 / 71 >

この作品をシェア

pagetop