お前のとなりは俺だから
半泣きの私に、アイスを食べながら問うてくる。
「どうして夏菜は、そんなに皐月の事、気になってんの?」
「そんなの決まってるよ」
私は、やっとこさ顔を上げて、楓を見る。
「皐月が気になるのは、小さい時から仲良くって……。私の親友であり、私のヒーローだと思ってた。だから、友達として見たことないって言われた時は……」
私がそう言うと、楓は、ずっとモグモグさせていた口を止めて、しっかりと目を合わせて聞いてくる。
「理由は、それだけ?」
「……え?」
楓の言葉の意味がわからずに、私は首を傾げた。
「皐月のこと、気になってる理由。本当にそれだけ?」
「それだけって、どういう事?」
私が言うと楓も言う。
「そこに、別の感情はないの?」
「別の感情?」
私が眉間にしわを寄せながら考える。
すると、楓が言った。
「例えば、恋愛感情、とか」