お前のとなりは俺だから
「だって……っ!」
今も尚、まだ何か言いたげな夏菜を見つめながら、柊牙はため息をつく。
「っていうか、お前、さすがだわ」
「え?」
私が首を傾げると、「もうな、皐月は、ご愁傷さまって感じだよ」と、呆れたように言った。
「つーか、皐月、こっちに帰ってきてたんだなー」
そう言った柊兄は、懐かしそうに目を細めていた。
柊兄こと、維吹柊牙は、私の4つ上の兄である。
柊兄と皐月の関係はというと……、
「あいつ、いっつも柊って呼んでたよなー。……俺、絶対あいつに舐められてたと思うわ」
という感じで、きっと、……仲、良かっ……
「帰ってきたら、一回シメようと思ってたんだよなー」
……たのか、よくわからない関係である。