お前のとなりは俺だから


「でも、皐月はよく、柊兄に遊んでもらってた覚えがあるよ?」


私がそう言うと、柊兄は笑って、「弟がいたら、あんな感じだったのかもな」と笑っていた。


兄弟のような関係だったのだろう。

皐月もよく、柊兄の事は慕っていたと思うし。


……まぁ、よくわからないのが本音である。


「って、話逸れちゃってるじゃん」


私がそう言うと、柊兄はなにか言いたげな顔をした。


「何、その顔」


私がそう聞くと、柊兄は、思う存分溜めたあと、


「皐月がかわいそう」


の、ひとこと。


「なんで?」


私のほうが可哀想でしょ。

皐月に見捨てられそうになってるのに。


「まぁ、これが変人に落ちた末路だな」


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