お前のとなりは俺だから


―――――………
―――……


今は朝。

柊兄に話した昨日の夜から、悶々と考え続けている。


「もー、柊兄に話したの、間違いだったよー……」


余計に意味わかんなくなったし。

変人に落ちたって何?

落ちたって、……恋に?

皐月、好きな人いるの?

……私? ……な、わけ、ないよねー。


そんなことを悶々と考えながら一人、通学路を歩く。


「もしかしたら私、嫌われてるかもしれないしなー……」


私は、肩を落としながら、大きな溜め息をついた。


「朝から、何、デケー溜め息ついてんだよ」


急に後ろからそんな声が聞こえ、私は、驚いて転けそうになった。


「ったく、どんくせーやつだなー。今、躓くとこなんてなかったぞ」

「さっ、皐月……」


私は、シンプルに驚く。

皐月に嫌われたら、もう話すことはできないと思っていたから。

なぜかって?

それは、皐月の場合、嫌いになった人とは、もう喋らないー、みたいな感じで、かなりバッサリと切る人だから。


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