お前のとなりは俺だから
そんな会話をしてから数時間が経ち、今は放課後。
「楓〜、今日どっか行くー?」
「どっかってどこ」
そんなことを言っていると、「おい、夏菜」と、皐月に呼ばれた。
「どうしたの?」
「ちょっと来い」
そう言って皐月は、先に歩きはじめた。
「え、ちょっ、来いって……」
私がワタワタしていると、楓は自分の席に座ったまんま、「はーい、行ってらっしゃーい」と言いながら手を振ってくる。
私は疑問に思いながらも、急いで皐月の後を追ったのだった。
「ねぇ皐月、どこ行くの?」
私が小走りになりながらそう聞くと、皐月は歩みを止めずに「んー、どっか」と言う。
……人呼んどいて行く場所決まってないのかよ……。
「別にいいだろ、決まってなくたって」
「なんで分かったの!?」
思っていたことに対しての回答が返ってきて、私は焦った。