悲しみに、こんにちは4

「ここだよ、ずっと来てみたかったんだ」



わたしは一軒のラーメン屋を指差した





「……デートで、ラーメン屋とか……ちょっと、先輩……ありえない……」



「味噌ラーメンが食べたくて、ねえ、
さあ、入ろうよ!」



私は入家君の手を取る。
というより、無理やり、引っ張る。



「……もっと、なんかおしゃれな店とかじゃないんですか?
先輩、もっとイメージ大切にした方が
いいっすよ……」



入家君、完全に引いてる。ドン引きみたい。




「私のイメージ?」



「そうですよー、先輩、一応、見た目は美少女なんだから。」


「えっ……」



「あっ……」



「……入家君、私のこと、可愛いって思ってた……の?」




……これは……衝撃の事実……





「あっ、いや……うっかりっていうか……」




「えっ?うっかり?」





「あっ、違くてその……まあ、その……とりあえずラーメン食べますよ!!」




顔を真っ赤にしながら入家君は
せかせかとのれんを潜る。


……お?
これは、これは……




「ちょっと、話の途中なんですけど!!」




「うっせぇなあ、早く入って下さい!」



「ちょっと、私、先輩だからね!
引っ張るな、痛いつーの!!」



……ふむ、なかなか楽しいかも……
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