悲しみに、こんにちは4
細目でニヤつくハル君は なんだか怖い。
私の知らないことまで、彼は知っているかのようだ。
「入家 皐月はさあ、こんなおもちゃでお前を縛るつもりなんだよ。」
「やめて、ハル君。私は気に入ってるの。初めて貰ったネックレス、凄く嬉しいの。」
そう、今日の出来事は特別だ。
入家君に対する見方は確かに変わったのだ。
「……お前は本当、優しいなあ?
それが、毒でも受け入れるのか?」
「……ええ、これが入家君の意思なら。」
「……入家 皐月はまだ皇子様なんだよなあ。」
「……やめよう、ハル君。」
「甘いよなあ?
アイツはなんで俺のプレゼントがマフラーなのか、知らねえんだ。
馬鹿な男だよなあ?」
「ハル君……?」
怖い。ハル君が、怖い。
ネックレスを弄る彼は、静かに怒りを見せている。