悲しみに、こんにちは4
「外せよ……こんなおもちゃ。」
いつもより一層と低いハル君の声が、私を縛る。……怖い。彼が怖い。
「お前は、芹沢 ユズキはこんなもんで
簡単に縛れる女じゃない。」
……ハル君?……どうしたの?
貴方は何に……怒ってるの?
「オレは、お前を芹沢 ユズキを誰よりも理解している。」
……なんで?ハル君は誰を見ている?
「お前は貴金属は嫌いだよなあ?
だから、オレはお前にあえて贈らない。」
……だめだ……食われる……
「外せよ、ユズキ。
金属アレルギーのお前に、ネックレスは毒でしかない。」