悲しみに、こんにちは4


困惑する私は、慌てふためく。


「……だめだよ、これは入家君の意思だから……。」



「ユズキ。」


怖い顔のハル君が近づく。



「お前が外さないなら、オレが外すまでだ。」




あっと気付いた時にはすでに遅かった。

ネックレスを無理やり引きちぎった彼は
私に近づき……




「えっ……」



壊れたチェーンが床に落ち……




「……今、何をしたの?」



重なり、離れる。




「いいか、お前を縛っていいのはオレだけだ。」



ハル君はそう言い残すとすっと立ち上がって、部屋を出ていった。


私の唇にハル君の熱をのこして。
< 28 / 58 >

この作品をシェア

pagetop