悲しみに、こんにちは4

その女は、いつも校門で男を待っていた。
彼氏でもない歳上の男が大学から出るのを待っていた。


女の名前が 芹沢 ユズキだと知ったのは
クラスメイトがうわさしていたからだ。

男をコロコロと変えるクソビッチ。
そのくせ、セックスどころかキスすら、させない。抱きしめたら即アウト。速攻、別れる。そしてまた新しい男をつくる。



でも、校門で長身の男を待つ彼女は噂とは違っていた。
まるで子どものようにそわそわと男を待ち、
男の姿を見ると子犬のように駆けつく。
表情豊かな女だった。
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