悲しみに、こんにちは4
k大付属高等学校 2年3組 お昼やすみ
「ちょっと、ユズ!」
私はいつも親友のラブちゃんと食べている。
「……どうしたの、ラブちゃん?」
「何のんきにあんぱんなんか食べてんのよ!!皇子来てるわよ、皇子!!」
ゲラゲラ笑うラブちゃんは教室の入り口を指差した
……入家 皐月がニコニコこちらを見ている。
「きゃー皐月くーーん!!」
我先に入家 皐月に駆け寄ったのは
他ならない 亜弓ちゃん。
「……誰かに用事でも、あるんじゃないの?」
私たちが通う高校は大学の敷地内にあるせいか、やたら広く
1年のクラスがある練はかなり離れている。つまり遠いわけ、ね。
そう簡単に会えるわけじゃないのよね。
「……何言ってんのよ、あんたに決まってるでしょ。彼女様?」
こういうラブちゃんは、ただ面白がっているだけだ。
「……でも、亜弓と話してるよ。」
そう、入家 皐月は教室には入らず
ミーハー亜弓と話している
「あら、珍しい!?
ユズキちゃんたらっ!嫉妬ですか??」
ラブちゃんが断りもなく、私のコーヒー牛乳を飲む。
……いや、私が買ったんですけど……
「……そうじゃなくて……、なんか今、ちょっと気まずい……」
「えっ?気まずいの?なんか、あったの?」
……うん、まあ、いろいろと……
「えっ?押し倒されたの?皇子様に?」
「…………なんで、そういう話になるわけ?」
「……あんたって、色々と遊んでる割には、そういう話聞かないよね?」
「……別に、遊んでないし……」
「でも、周りはそう思ってる。」
真顔のラブちゃんはちょっとこわい。
だって彼女は正しいんだもの。
「……相沢君みたいな真似しちゃダメだよ。」
そして、私は彼女の正義感が結構好き。
「相田君じゃなかったっけ?」
「……相沢君!」
やっぱり、ラブちゃん、大好きです。言わないけど。