悲しみに、こんにちは4


結局、その後二人は姉貴の部屋に入ったので
俺は外に出ることにした。

もちろん
姉貴の喘ぎ声なんか聴きたくないからな。

あの2人は、やはりおかしい。
お互いがお互いをなんとも思ってないくせに
キスやセックスが出来る。

それとも、何とも思ってないから出来るのだろうか?
それが、あの2人にとってはあくまで《行為》でしかないのか?




その時、俺はまだ気付いていなかった。
俺たち入家姉弟がどこまでもそっくりであること。
芹沢 ユズキは怪物で、その怪物を産んだ長門 春海もまた怪物であること。


つまり、芹沢 ユズキと長門 春海もまた
そっくりなんだ。
だって、ほら、2人は同じ笑い方をするだろう?
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