悲しみに、こんにちは4
俺たち姉弟は 瓜二つ。
見た目も中身も全く 同じ。
「……ぜんぶ……全部、あの女の所為なのよ……」
「あの女?」
そっくりなんだ、あの2人。
「そうよ!!芹沢 ユズキよ!!」
「……先輩?」
……あの2人も、そっくりなんだ。
「そう……あの女が……芹沢 ユズキが
あの男を……長門 春海を作ってるのよ!!」
「……それは……逆だろ?」
怪物が産んだのは、怪物だ。
ただ、彼女はただの 怪物では無かった。
「あの女だけなのよ……
長門 春海が
傷つける相手も、喜ばす相手も
芹沢 ユズキ だけなのよ!!」
そう、好きの反対は《キライ》じゃない。
「あの男は……私を見ない……
誰も、見てない……
芹沢 ユズキにしか興味がない!!
ー好きの反対は《無関心》だ。
「そういう男に育てたのよ!!
芹沢 ユズキが!!」
「 いや……、あの人が……そんな器用な真似出来るわけ……ないよ。」
すすり泣く彼女は、語る。
「気付いてないのよ!!
だって……彼女……善意の塊なんですもの!子どもなのよ、あの子は!」
1番のクズは……芹沢 ユズキだ。
彼女は、この四人の関係を全く理解してないない。
彼女は、善意の塊でしかないから、気づけないのだ。
彼女が犯した罪に。
彼女の嘘と欲望に。