悲しみに、こんにちは5


私は、押さえつけるハル君を思い切り蹴った。

私が恐れているそれを
思い切り拒んだ。


私たちは お互いがお互いを欲しているのに……
どうして、私は ハル君の部屋を出るんだろう?

どうして、こんなに辛いのだろう?



私はいったい、何を信じてきたんだろう?



……こわい、こわいよ。





「……助けて、入家君……、助けて!」


部屋を出た私は、家には帰らなかった。
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