悲しみに、こんにちは5


離したい。逃れたい。
それでも、その大きな影が私を包む。



「……あっ……ん。」



彼の、ハル君の舌が……入ってくる。
彼の熱が……入ってくる。



「……ユズキ、お前もそんな声出るんだなあ?」



「……あっ、なに……何考えてるの?!
だって……ハル君は……
さくらさんのことが……」


そして、伝わるんだ。彼の熱と共に。



「入家 さくらとは 別れた。」

「えっ??」

「俺たちは共犯だな、ユズキ。
俺たちは2度も 入家 皐月を裏切った。」


それは、残酷なほどに熱い熱だ。


「もう、許されねぇよ、俺たちは。
一緒に、地獄に堕ちようぜ?」
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