悲しみに、こんにちは5


「オレ、ずっとバイトしてただろう?」


「なに、いきなり……」



私は彼の下で、足掻くんだ。
所詮、私は 長門 春海の檻の中。



「入家 さくらと別れちまったから、予定が狂ったんだよ。」


「何が言いたいの?」




「クリスマス、どうせなら空けてんだろ?」




もう目の前のクリスマス。

……空けてはいるが、それは……



「……クリスマスは、入家君と過ごす……と思う。」



それは、彼の、入家 皐月のものだ。


「じゃあ、いいだろ?」



「いいわけ、ないじゃん!!」



「オレを選べよ。
お前は……ユズキは、オレが好きだろう?」


全てが暴かれるんだ。
その男の手によって。


「お前は オレのもんだ。
オレが お前を育てた。」



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