お届け物です。
1章 暇な日
「甲子園始まったんだね。」
ふと、お母さんが話しかけてくる。
現在中学生二年生である私、春川 奈実。
思春期真っ只中な私が母と話すことは無いに等しく、このように母が話しかけてくるのは珍しい事だった。
「そうだね。」
実にそっけない返事に母は気を悪くしたのかそれ以上は話しかけて来なかった。
父と母は私が幼い頃に離婚し、それ以来女手一つで私を育ててくれた母。
世話になった、とは思っているが私は母の事が好きではない。
すぐに機嫌を悪くするし、手料理は不味いし。
おかげで晩御飯作りは毎日私だ。