知らない貴方と、蜜月旅行
態度で示すって、他のこと、吏仁が考えそうなことって、なんだろう…?やっぱり、キス…とか?やっ、無理!いくらなんでもそれだけは、できない!


「おい、紫月。なに頭振ってんだよ。大丈夫か?」
「え?あ、ごめん。大丈夫、なんでもない!」
「あそ。なんか選べるって、なにがいいんだ?つか、お前さ細いのにエステする意味あんの?」
「ほ、細くないよ!二の腕とか、太ももとか、お腹のお肉とか、気になるとこいっぱいだもん!」


男には一生、わかんないんだよ!女はね、常にダイエットしたい生き物なんだから!


「ふぅん。俺はこれくらいが好きなんだけど」
「………」


そう言われると、ダイエットなんていいのかなって思ってしまうのも女特有の考え…。


「あの、でしたら!カップル、ご夫婦で受けられるプランもございますが、いかがですか?」
「二人で、ですか…?」
「えぇ、二人でです。会話もできますし、男性の方には男性スタッフをお付け致します」
「俺、やるなら女がいい…って、蹴るなよ!冗談に決まってんだろ?」


吏仁は、見た目チャラくないんだから、冗談に聞こえないんだってば。でも、吏仁もされるなら、男性よりカワイイ女の子のほうがいいよね。


「あの、男性じゃなくてもいいんですか?」
「えぇ、大丈夫です。女性になさいますか?」
「じゃあ、女性にしてあげてください」
「ちょい、待て。俺べつに男でも、」
「無理しなくていいんだよ、カワイイ女の子に触ってもらいなよ」
「お前なぁ…」


自分で言っといて、ムッとしてるのは、なんでだろう。さっきのプールの時といい、おかしすぎるよね私。亮太を忘れられなくて、吏仁が気になるって、どんだけ最低な女なんだろ。


でも自分で言ったんだから、自分の言葉には責任を持たなきゃね。リラックスして、心も体も癒されよう。


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