知らない貴方と、蜜月旅行
*偽物新婚生活
「悪かったって。そんな怒んなよ」
「もう寝たら?明日から仕事なんでしょ」


あれから吏仁は気まずくなったのか、寝てしまい。私はというと、モヤモヤしたまま運転をして、帰ってきたマンション。帰宅してすぐに、謝られたけど、わざとに聞かぬふりをして、突き放した。


「寝れるかよ」
「ちょっ、」
「このまま俺にキスされるか、素直に許すか決めさせてやるよ」
「なにそれっ、離してっ…!」


あぁもう、お母さんに言ったこと撤回!全然私のこと大切にしてくれない!壁に押し付ける旦那がどこにいんのよ…!


「ほら、どうすんだよ」
「ちょっと…、もう許すからっ、離してってば!」
「………チッ」
「ひゃ、やだ!吏仁、おろして!」


許すって言ったのに、どうして私、担がれてんのっ!どうせなら、お姫様抱っこにしてよ!って、呑気なこと考えてる場合じゃないっ。


「……っ、」
「もう許すから、ってなに」


無表情の吏仁は、私をベッドにぶん投げると覆いかぶさってきて、グッと顔を近付けてきた。そしてクスッと笑うと、首筋に唇を押し付けてきた。


「やだっ、吏仁っ…!」
「可愛い声出したら、さっきの発言忘れてやるよ」
「やっ、やだぁ…!やだってばぁ!っ、」


どうして私が怒ってたはずなのに、吏仁が怒って。どうして、私は吏仁に抱かれようとされてるのっ。意味わかんないよっ。


< 113 / 185 >

この作品をシェア

pagetop