知らない貴方と、蜜月旅行
「なにが怖ぇんだよ。ニヤついてんぞ、顔」
「は、はぁっ?!べつに、ニヤついてなんかないし!自意識過剰じゃないの!?」
ニヤつくわけないじゃないっ。私、普段から口角が上がってるから、そう見えただけだよ!絶対。
「紫月…私も思うよ。顔、ニヤついてる…」
「く、久未まで!!そこは味方になってよ!親友でしょ?!」
「だって、本当のことだし」
「………ム」
なによ、久未まで!さっきまで久未のこと大好きだったのに…。それもこれも吏仁のせいだ!……って、人のせいにするなんて私が一番悪いのか。
「あのぉ…。ちょっといいっすか?」
「あ?なんだよ、陽悟のくせに」
「いや。〝陽悟のくせに〟はないでしょ、蒼井さん!」
こんな空気の中、入ってきた陽悟さん…。そうだった、ここはお店の厨房で、みんないたんだった…。改めて気付いて、顔が熱くなる。
「あの、お二人は結婚されたんですよね…?」
「あぁ、そうだ。最初に言っただろが。聞いてなかったのかよ」
「聞いてましたよ!でも、蒼井さんが佐野ちゃん……いや、紫月ちゃんか。紫月ちゃんのことを好きなのは伝わりましたよ?でも、紫月ちゃんは蒼井さんのこと、好きじゃないですよね?蒼井さんの発言とか、一方的な感じがしますし、二人の距離感とか微妙で、なんか引っかかるんですよね」
……イタイとこ、つかないで下さい、陽悟さん。引っかからないでください、スルーしてください、お願いします。
「なにか、ワケありとか?」
「……っ、」
ワケ、あり……。あ……私、ワケありの女だ…。ワケありの結婚だ…。古くなった中古のお家を誰かが買ってくれた、みたいな…。なら、いつか、また私は捨てられる…?ワケあり物件だから…。
「は、はぁっ?!べつに、ニヤついてなんかないし!自意識過剰じゃないの!?」
ニヤつくわけないじゃないっ。私、普段から口角が上がってるから、そう見えただけだよ!絶対。
「紫月…私も思うよ。顔、ニヤついてる…」
「く、久未まで!!そこは味方になってよ!親友でしょ?!」
「だって、本当のことだし」
「………ム」
なによ、久未まで!さっきまで久未のこと大好きだったのに…。それもこれも吏仁のせいだ!……って、人のせいにするなんて私が一番悪いのか。
「あのぉ…。ちょっといいっすか?」
「あ?なんだよ、陽悟のくせに」
「いや。〝陽悟のくせに〟はないでしょ、蒼井さん!」
こんな空気の中、入ってきた陽悟さん…。そうだった、ここはお店の厨房で、みんないたんだった…。改めて気付いて、顔が熱くなる。
「あの、お二人は結婚されたんですよね…?」
「あぁ、そうだ。最初に言っただろが。聞いてなかったのかよ」
「聞いてましたよ!でも、蒼井さんが佐野ちゃん……いや、紫月ちゃんか。紫月ちゃんのことを好きなのは伝わりましたよ?でも、紫月ちゃんは蒼井さんのこと、好きじゃないですよね?蒼井さんの発言とか、一方的な感じがしますし、二人の距離感とか微妙で、なんか引っかかるんですよね」
……イタイとこ、つかないで下さい、陽悟さん。引っかからないでください、スルーしてください、お願いします。
「なにか、ワケありとか?」
「……っ、」
ワケ、あり……。あ……私、ワケありの女だ…。ワケありの結婚だ…。古くなった中古のお家を誰かが買ってくれた、みたいな…。なら、いつか、また私は捨てられる…?ワケあり物件だから…。