知らない貴方と、蜜月旅行
「っ、いってぇ…!!なにするんすか!蒼井さん!」
「アホ、余計なこと言ってんじゃねぇぞ。ほら、3番テーブル呼んでる。陽悟、行ってこい」
「…分かりました」
「みんなも各自、仕事に戻れ。なにか言いたい奴はあとから直接俺に言ってこい、以上」
「…はい」
吏仁は思い切り、陽悟さんの頭を叩くと、従業員の方にも持ち場に戻るように指示をした。
「悪りぃ、久未さんだっけ。こっから見える、席あるだろ。少しの間、あそこで待っててくれねぇかな」
「えぇ、もちろんです」
「あー、中村さん。悪りぃけど彼女にドリンク聞いて、出してやって」
「あっ、はい」
こうして私たちの周りには人がいなくなり、私と吏仁だけになった。
「お前は、ちょっとコッチに来い」
「……ヤダ」
「いいから来い」
「っ、ヤダってば!」
嫌だと拒否をするのも関わらず、腕を引っ張られグイグイ連れて行かれた場所は多分、休憩室。
そして、扉が閉まると同時にギュ、と強く抱きしめられる。でもその間も私の頭の中は〝ワケあり〟という言葉。
そしてそれと同時に思い出すのは、亮太の存在だった。さっきまで吏仁を一番頭に持ってきてたけど、今はまた亮太が一番になっている。やっぱり亮太からは逃れられないんだ…。
「吏仁……」
「ん」
「やっぱり私、亮太のこと…忘れられない」
「………」
「吏仁のことは、嫌いじゃないよ。ううん、多分好きになりかけてる……いや、もう好きなのかな……」
私の中で吏仁の存在が、かなり大きくなっているのは確かだ。だけど、亮太が隙間にここぞとばかりに入ってくるんだ。
「アホ、余計なこと言ってんじゃねぇぞ。ほら、3番テーブル呼んでる。陽悟、行ってこい」
「…分かりました」
「みんなも各自、仕事に戻れ。なにか言いたい奴はあとから直接俺に言ってこい、以上」
「…はい」
吏仁は思い切り、陽悟さんの頭を叩くと、従業員の方にも持ち場に戻るように指示をした。
「悪りぃ、久未さんだっけ。こっから見える、席あるだろ。少しの間、あそこで待っててくれねぇかな」
「えぇ、もちろんです」
「あー、中村さん。悪りぃけど彼女にドリンク聞いて、出してやって」
「あっ、はい」
こうして私たちの周りには人がいなくなり、私と吏仁だけになった。
「お前は、ちょっとコッチに来い」
「……ヤダ」
「いいから来い」
「っ、ヤダってば!」
嫌だと拒否をするのも関わらず、腕を引っ張られグイグイ連れて行かれた場所は多分、休憩室。
そして、扉が閉まると同時にギュ、と強く抱きしめられる。でもその間も私の頭の中は〝ワケあり〟という言葉。
そしてそれと同時に思い出すのは、亮太の存在だった。さっきまで吏仁を一番頭に持ってきてたけど、今はまた亮太が一番になっている。やっぱり亮太からは逃れられないんだ…。
「吏仁……」
「ん」
「やっぱり私、亮太のこと…忘れられない」
「………」
「吏仁のことは、嫌いじゃないよ。ううん、多分好きになりかけてる……いや、もう好きなのかな……」
私の中で吏仁の存在が、かなり大きくなっているのは確かだ。だけど、亮太が隙間にここぞとばかりに入ってくるんだ。