知らない貴方と、蜜月旅行
意外に圧のある瞳に、亮太の働くパチンコ屋さんを教えてしまった…。多分あのまま教えなかったら、睨めっこの勝負を永遠とするだけ…。
「大丈夫?本当に一人で帰れる?」
「はい、大丈夫ですよ。家から近かったですし、道も覚えましたから」
陽悟さんは、タクシーを呼ぶと言ってきかなかったんだけど、そんなたいした距離じゃないし、固定もされてるから大丈夫だと、タクシーはお断りさせてもらった。
「でも、本当に行くんですか…?」
「当たり前でしょ」
「気が変わってやめても私、怒りませんよ?」
「変わらないから安心して」
「………」
本当に彼は亮太のところへ行くらしい…。名前だけは伝えたけど、亮太はあれから働いてるのだろうか。それすらも分からないのに…。
「じゃあ、俺行ってくるね」
「……はい、気を付けてくださいね」
「はいはい」
陽悟さんが歩き出し、私も反対方向へ歩き出す。これで良かったのかなぁ…と、思ってた時。電話が鳴り、見てみると〝吏仁〟と表示されていて、すぐにタップし耳に当てた。
「吏仁…?」
『紫月、今どこだよ』
「え?どこって……」
『家にいないとか、そういう冗談やめろよ…』
「あっ、」
吏仁、家に戻ったんだ。ちょっとは、気持ち落ち着いたのかな。だったらいいんだけど…。
『おい、紫月聞いてんのか?』
「ご、ごめんっ。今、帰ってるとこだから」
『どっち?』
「どっち、とは…?」
『コンビニのほうか、スーパーのほうか』
「あ、コンビニのほうだよ」
『ん、分かった』
「大丈夫?本当に一人で帰れる?」
「はい、大丈夫ですよ。家から近かったですし、道も覚えましたから」
陽悟さんは、タクシーを呼ぶと言ってきかなかったんだけど、そんなたいした距離じゃないし、固定もされてるから大丈夫だと、タクシーはお断りさせてもらった。
「でも、本当に行くんですか…?」
「当たり前でしょ」
「気が変わってやめても私、怒りませんよ?」
「変わらないから安心して」
「………」
本当に彼は亮太のところへ行くらしい…。名前だけは伝えたけど、亮太はあれから働いてるのだろうか。それすらも分からないのに…。
「じゃあ、俺行ってくるね」
「……はい、気を付けてくださいね」
「はいはい」
陽悟さんが歩き出し、私も反対方向へ歩き出す。これで良かったのかなぁ…と、思ってた時。電話が鳴り、見てみると〝吏仁〟と表示されていて、すぐにタップし耳に当てた。
「吏仁…?」
『紫月、今どこだよ』
「え?どこって……」
『家にいないとか、そういう冗談やめろよ…』
「あっ、」
吏仁、家に戻ったんだ。ちょっとは、気持ち落ち着いたのかな。だったらいいんだけど…。
『おい、紫月聞いてんのか?』
「ご、ごめんっ。今、帰ってるとこだから」
『どっち?』
「どっち、とは…?」
『コンビニのほうか、スーパーのほうか』
「あ、コンビニのほうだよ」
『ん、分かった』