知らない貴方と、蜜月旅行
「そうかそうか…。やっと、吏仁が……」
てか、お父さん泣いちゃってるよ…。マジ泣きだよ…。ねぇ、お父様?あのぉ、私、結婚する気なんてないんですけど…。
「お嬢さんっ」
「は、はいっ!」
急にお父さんに呼ばれて、ピンっと姿勢を正した。うわぁ、吏仁とソックリ…。目はキリッとしてて、鼻が高くて、一言で言えば──そう、ダンディ。
吏仁はまだ若いから、ダンディという言葉は似合わないけど、将来吏仁もこうなるのだろう。
「お名前、聞いてもいいかな?」
「あっ、はい。申し遅れました、私、佐野紫月と申します」
「そうかそうか、紫月さんか。素敵な名前だね」
「ありがとう、ございます…」
あれ、名前聞き返されなかった…。なんだろう、たったそれだけのことなのに、すごく嬉しいなんて…。
てか、ドサクサに紛れて名前名乗っちゃったよ!これじゃあ、本当に結婚するみたいじゃない!どうしよう、どうしたらいいのよ!
「それでさ、オヤジ。明日から少し休み貰いてぇんだけど」
「休みを?」
「あぁ。新婚旅行、行くからさ」
はぁっ!?新婚旅行って…吏仁と私が!?なんで!今すぐにでも問いただしたい…。だけどさっき、口を塞がれたから今聞いても、また塞がれるだけ…。とりあえず、今は我慢だ我慢…。
てか、お父さん泣いちゃってるよ…。マジ泣きだよ…。ねぇ、お父様?あのぉ、私、結婚する気なんてないんですけど…。
「お嬢さんっ」
「は、はいっ!」
急にお父さんに呼ばれて、ピンっと姿勢を正した。うわぁ、吏仁とソックリ…。目はキリッとしてて、鼻が高くて、一言で言えば──そう、ダンディ。
吏仁はまだ若いから、ダンディという言葉は似合わないけど、将来吏仁もこうなるのだろう。
「お名前、聞いてもいいかな?」
「あっ、はい。申し遅れました、私、佐野紫月と申します」
「そうかそうか、紫月さんか。素敵な名前だね」
「ありがとう、ございます…」
あれ、名前聞き返されなかった…。なんだろう、たったそれだけのことなのに、すごく嬉しいなんて…。
てか、ドサクサに紛れて名前名乗っちゃったよ!これじゃあ、本当に結婚するみたいじゃない!どうしよう、どうしたらいいのよ!
「それでさ、オヤジ。明日から少し休み貰いてぇんだけど」
「休みを?」
「あぁ。新婚旅行、行くからさ」
はぁっ!?新婚旅行って…吏仁と私が!?なんで!今すぐにでも問いただしたい…。だけどさっき、口を塞がれたから今聞いても、また塞がれるだけ…。とりあえず、今は我慢だ我慢…。