知らない貴方と、蜜月旅行
昨日乗った車の助手席に座ると、すぐにギアを入れ発進させた。まさか、とは思ったけど向かってる方向は、どう見ても空港じゃなくて、市役所方面だった。
本当に婚姻届、出すのかな…。吏仁が、なにか書いてたのって、きっと亮太が空欄にしてたところに書いてたんだよね…?見てないから、正確なことは、わからないけれど。
*
「紫月、着いた。降りろ」
「……うん」
やっぱり、か…。着いた先は、思ったとおり、市役所だった。吏仁は私に着いたことを言うと、運転席のドアを開け、出て行ってしまった。
このまま、ここにいたいけど、さすがにそんなことは、できるわけがない。意を決して、助手席を降りた。
「ね、ねえ…?」
「あ?」
「本当に出すの…?」
「当たり前だろ」
当たり前って…。普通は、そんなことしないって!やっぱ吏仁って、ちょっと変わってるのかな…。
「ねぇ、吏仁?よーく考えてみて!胸に手を当ててさ!」
「は?そんなん意味ねぇよ」
「いや、意味あるない関係なくさ、もう一回よーく考えてみてって言ってるの!」
「だから、なんで?」
「なんで、って…。考えたら、わかるでしょ?私と吏仁は出会ったばかりなんだよ?そんな二人が一つ屋根のしたで暮らしていけるとは思わないよ!」
私がそう言うと、吏仁はクスッと笑い、私に向かって言ってきた。
「お前さぁ、なにもわかってないな」
「な、なにが…」
「そんなの誰にもわかるわけないだろ。お前だって実際、長年付き合った男と結婚できなかったじゃねぇかよ」
「そ、それは、そうだけど…」
「長年付き合ったくせに、相手のこと、なにもわかってなかっただろが。それを、私たちは出会ったばかりだからとか、勝手に決めつけんなよ」
「………」
本当に婚姻届、出すのかな…。吏仁が、なにか書いてたのって、きっと亮太が空欄にしてたところに書いてたんだよね…?見てないから、正確なことは、わからないけれど。
*
「紫月、着いた。降りろ」
「……うん」
やっぱり、か…。着いた先は、思ったとおり、市役所だった。吏仁は私に着いたことを言うと、運転席のドアを開け、出て行ってしまった。
このまま、ここにいたいけど、さすがにそんなことは、できるわけがない。意を決して、助手席を降りた。
「ね、ねえ…?」
「あ?」
「本当に出すの…?」
「当たり前だろ」
当たり前って…。普通は、そんなことしないって!やっぱ吏仁って、ちょっと変わってるのかな…。
「ねぇ、吏仁?よーく考えてみて!胸に手を当ててさ!」
「は?そんなん意味ねぇよ」
「いや、意味あるない関係なくさ、もう一回よーく考えてみてって言ってるの!」
「だから、なんで?」
「なんで、って…。考えたら、わかるでしょ?私と吏仁は出会ったばかりなんだよ?そんな二人が一つ屋根のしたで暮らしていけるとは思わないよ!」
私がそう言うと、吏仁はクスッと笑い、私に向かって言ってきた。
「お前さぁ、なにもわかってないな」
「な、なにが…」
「そんなの誰にもわかるわけないだろ。お前だって実際、長年付き合った男と結婚できなかったじゃねぇかよ」
「そ、それは、そうだけど…」
「長年付き合ったくせに、相手のこと、なにもわかってなかっただろが。それを、私たちは出会ったばかりだからとか、勝手に決めつけんなよ」
「………」