知らない貴方と、蜜月旅行
*吏仁の過去、聞いてもいい?
「ありがとうございました。素敵な旅を、お過ごしくださいませ」
木村さんや、松本さんに見送られ、私たちはタクシーでホテルへと向かった。ホテルは、私たちが式を挙げたアムール・チャペルと提携してるホテルで、挙式とセットになってるプランなのだ。
「ねぇ、吏仁」
「なに」
「さっきさ、サラッとカードで支払ってくれちゃったけど、あっちに帰ったら私も少しお金出すから」
「べつにいいよ」
「よくないよ!一体、私の為にいくらつぎ込むのよ」
そう──。さっき、吏仁はお金を支払うのに、またカードで支払ってしまったのだ。しかも19万8千円という大金を一括で…。
「もう、俺ら夫婦だろ?だから、いらねぇよ」
「そんなこと言われても、こっちが困る」
「じゃあ、違うことで返せよ」
「違うこと、って…?」
まさか、体で返せとか言うわけじゃないでしょうね!いや、でも吏仁なら言いそうで怖い…。
「毎日、飯作って」
「へっ?」
「何度も言わせんな。耳掃除してんのか?」
「し、してるわよ!失礼ね!」
「じゃあ、聞き返すなよ」
「ご、ごめん…」
だって、まさかそんな要求だとは思わなかったんだもん。そりゃ、聞き返したくもなるよ。でも、毎日ごはん。それでいいんだ…。
「それより、お前変な想像してなかったか?」
「へ、変な想像?なに言ってるの、吏仁じゃないんだから、するわけないし」
「へぇ〜?」
「な、なによ」
「いや、べつに?ま、紫月がしてほしいなら、してやるけど」
「は?なに言って、」
「お疲れ様でございました。ご到着致しました」
「あ、ありがとうございます…」
なんか変なタイミングでホテル着いちゃったんだけど!吏仁はサッサと荷物トランクから出して行っちゃうし!んもうっ!
木村さんや、松本さんに見送られ、私たちはタクシーでホテルへと向かった。ホテルは、私たちが式を挙げたアムール・チャペルと提携してるホテルで、挙式とセットになってるプランなのだ。
「ねぇ、吏仁」
「なに」
「さっきさ、サラッとカードで支払ってくれちゃったけど、あっちに帰ったら私も少しお金出すから」
「べつにいいよ」
「よくないよ!一体、私の為にいくらつぎ込むのよ」
そう──。さっき、吏仁はお金を支払うのに、またカードで支払ってしまったのだ。しかも19万8千円という大金を一括で…。
「もう、俺ら夫婦だろ?だから、いらねぇよ」
「そんなこと言われても、こっちが困る」
「じゃあ、違うことで返せよ」
「違うこと、って…?」
まさか、体で返せとか言うわけじゃないでしょうね!いや、でも吏仁なら言いそうで怖い…。
「毎日、飯作って」
「へっ?」
「何度も言わせんな。耳掃除してんのか?」
「し、してるわよ!失礼ね!」
「じゃあ、聞き返すなよ」
「ご、ごめん…」
だって、まさかそんな要求だとは思わなかったんだもん。そりゃ、聞き返したくもなるよ。でも、毎日ごはん。それでいいんだ…。
「それより、お前変な想像してなかったか?」
「へ、変な想像?なに言ってるの、吏仁じゃないんだから、するわけないし」
「へぇ〜?」
「な、なによ」
「いや、べつに?ま、紫月がしてほしいなら、してやるけど」
「は?なに言って、」
「お疲れ様でございました。ご到着致しました」
「あ、ありがとうございます…」
なんか変なタイミングでホテル着いちゃったんだけど!吏仁はサッサと荷物トランクから出して行っちゃうし!んもうっ!