知らない貴方と、蜜月旅行
「吏仁、どこかに行くの…?」
「あぁ、色々気付いてやれなくて悪かったな」
「え、なにが…?」
気付いてやれなくて?なにが悪かったの?吏仁、私になにかした…?
「一人になる時間、なかっただろ」
「……あ」
「結婚相手がいなくなった時は泣いただろうけど、それからは俺と一緒にいたから、お前泣いてもないだろ」
「それは…」
あの日、亮太がいなくて、散々泣いた。でも、あの日から吏仁がずっと一緒にいて、亮太のことは思い出すけど泣いてはいない。泣いちゃいけないって、どこかで思ってたのかもしれない。
「今も思い出してたろ」
「えっ…?」
「多分俺なら、一人にしてほしいって思うからさ。とりあえず20分後、戻ってくるわ」
「やだ、行かない…で」
吏仁は一人になりたいと思うかもしれないけど、私は一人にされたくなかった。だから、とっさに吏仁の服の裾をキュッと掴んだ。
「紫月?」
「やだ、一人にしないで…。吏仁も私を捨てちゃうの…?」
「あ?バーカ、なに言ってんだよ。考えすぎだ」
〝バカ〟だなんて言いながらも吏仁は、笑って私の頭を撫でた。
「吏仁…」
「ん?」
「泣きたいから、胸かして…」
「いいけど、高ぇよ?」
「……じゃあ、いい」
なによ。高いって!そこは空気読んで、かしてくれるはずじゃないの?せっかく勇気出して言ったのに…。もう、いいよ…。吏仁なんか、どっか行っちまえ!
「あぁ、色々気付いてやれなくて悪かったな」
「え、なにが…?」
気付いてやれなくて?なにが悪かったの?吏仁、私になにかした…?
「一人になる時間、なかっただろ」
「……あ」
「結婚相手がいなくなった時は泣いただろうけど、それからは俺と一緒にいたから、お前泣いてもないだろ」
「それは…」
あの日、亮太がいなくて、散々泣いた。でも、あの日から吏仁がずっと一緒にいて、亮太のことは思い出すけど泣いてはいない。泣いちゃいけないって、どこかで思ってたのかもしれない。
「今も思い出してたろ」
「えっ…?」
「多分俺なら、一人にしてほしいって思うからさ。とりあえず20分後、戻ってくるわ」
「やだ、行かない…で」
吏仁は一人になりたいと思うかもしれないけど、私は一人にされたくなかった。だから、とっさに吏仁の服の裾をキュッと掴んだ。
「紫月?」
「やだ、一人にしないで…。吏仁も私を捨てちゃうの…?」
「あ?バーカ、なに言ってんだよ。考えすぎだ」
〝バカ〟だなんて言いながらも吏仁は、笑って私の頭を撫でた。
「吏仁…」
「ん?」
「泣きたいから、胸かして…」
「いいけど、高ぇよ?」
「……じゃあ、いい」
なによ。高いって!そこは空気読んで、かしてくれるはずじゃないの?せっかく勇気出して言ったのに…。もう、いいよ…。吏仁なんか、どっか行っちまえ!