Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》



「へえー、それで腰抜かしてオレんとこに来たわけだ」


そう、あの後、居たたまれなくなった俺は
隣に住む長門 春海を訪ねた。



「まさか、クリスマスに野郎が部屋に来るとはなあ?」


いやらしそうにニヤける長門 春海は
絶対、この後 姉貴に報告するだろう。


「しかし、よく俺が帰ってきてんのわかったな?」



そうなのだ、結局 姉貴と長門春海は
クリスマスイブから一泊二日の温泉旅行に出かけた……



「……俺にはちょっと理解できません……この前別れたくせに、また付き合ったりとか……」


「別に付き合ってねえよ。」



長門 春海は部屋のリクライニングチェアに座って、俺を見下ろしいた。
俺は床であぐらをかいて座っている。
……もちろん、座布団などは用意されないしお茶なんて問題外だ。



「……付き合ってないのに、旅行とか行くんですか?」


「ああ、行くぜ」


「……それって不純じゃないですか?」


ニタニタと得意の引き笑いが響き、俺を苛立たせる。
リクライニングをギコギコと揺らす音も気になる。


「不純って……そしたら、お前の姉ちゃんなんかどうなんだよ?
よくもまあ、同時に5人もパカパカと……」



「もう、いいじゃないですか……全員
別れたんだし……」

別に姉貴の肩を持った訳ではないが、
数日前の借りを返さなければならなかった。
それに、今は誰とも付き合っていないのは事実だ。


「お前の姉ちゃんも、結構おもしれーよなあ?」


「……姉貴のこと、実は気に入ってるんですか?」


「はあ?そんなこと弟に話すかよ?!」




やはり、この男は俺にはよく分からない
姉ちゃんは何に惹かれたんだろうか?
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