Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》
「へえ、万華鏡?」
住宅街の中でひっそりと店を構えるそれは 万華鏡の専門店だった。
店先には 小さな看板と
大きなショーウィンドウに大小様様な万華鏡が立ち並ぶ。
決して 大きな店ではないが、
入り口のドアに赤いポストがあり
なかなか洒落た店だった。
「万華鏡の専門店なんて初めてだよ。」
私は独り言のようにつぶやいた。
「俺、ここ知ってから、ずっと先輩と来てみたかったんです。」
……そうか。入家君は万華鏡が好きなのか?
なんて不思議な顔をした私に気付いたのか、彼は優しげに微笑んだ。