Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》
店員は20台後半の若い女性だった。
彼女が高い声で値段を言い、私は財布から五千円札を取り出し、お釣りと箱に入った万華鏡を手にした
「この万華鏡、気に入って下さったんですか?」
女性店員が帰り際に話しかけた。
「ええ、そうなんです。
一目惚れしちゃって。」
私が嬉しげに語ると、女性店員は何故かドア付近の入家君を見た。
「カップルでお揃いなんて素敵ですね。」
「えっ?」
私は思わずドアを見たが、すでに彼は外に出て 恥ずかしそうに背中を丸めて仔犬のようにしゃがんでいた。